PoBtanのブログ

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Spotifyプレイリストその14

→14 🏄‍♂️🎹🎶

ザ・ビーチ・ボーイズの光と影

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Spotify公開プレイリスト、第14弾は「ザ・ビーチ・ボーイズの光と影」となりました。

このぼくのプレイリストは「1つのテーマに沿って1時間以内で。」というあれがあり、プレイリストには1アーティスト1曲。というルールも当初は考えてあったのですが、それはとっくにもうないものとなってしまっているので、まあいいやと(ネタが無くなったわけではない、はず。)ザ・ビーチ・ボーイズ特集になりました。

「趣味は何ですか?」と聞かれたとき、まあ音楽と映画と読書。と10人中8.9人あたりが答えそうな答えを(まあ本当だから仕方がなく)返すのですが、そう言うとだいたい、聞いた人は「あーふつーだねー」とう言う顔をして、「じゃー音楽はどんなの聞くの?」「King Gnuとか髭ダンとかビリー・アイリッシュとか好きー(古!)」とか言われると非常に困り、「まあ、いい音楽なら何でも好きかなー」と返すと、これまた「つまんねえやつだな。」という顔をされるので嫌になるのですが。まあCDを3,000枚近く持っており、LPを1,000枚ぐらい持っている。と言ってもこのサブスクの時代に気持ち悪がれるだけなのはわかっているので言えないのです。

ですが、はっきりと言ってしまえば、ぼくが最も敬愛する(尊敬する、でもなく、憧れる、でもなく、もちろん打ちひしがれるでもない)アーティスト。それはジョン・レノンでもなく、ルー・リードでもなく、ジム・モリソンでもなく、ジミ・ヘンドリックスでもなく、ミック・ジャガーでもなくデヴィッド・ボウイでも、もちろんジョニー・ロットンでもなく、ジョー・ストラマーは少しあるかもですが、誰がなんと言おうと「ブライアン・ウィルソン」その人なのです。ブライアン・ウィルソンは飽くまでぼくに言わせればですが、クラッシックでいえばモーツァルトベートーヴェン。ジャズでいえばバード、マイルズ。そういった人たちに近い、はっきりと言ってしまえばポップミュージックにおける『神』なのです。いままだ存命でいらして、同じ時代を生きているというだけでも感謝したくなるほどの存在なのです。

なので、同一アーティストを特集したい、と思ったときにはまずは『ザ・ビーチ・ボーイズ』以外には考えられませんでした。しかし、『ザ・ビーチ・ボーイズ』ほどポップミュージックにおいて誤解を受けているバンドもそういないと思います。一般的には「ああ、ビーチ・ボーイズ? 『サーフィンU.S.A』『ファン・ファン・ファン』の人たちでしょ?」と言われるわけで、まあ間違ってはいないのですが、それは全く、ぜんぜん違うわけです。

せいぜいそこから『ペット・サウンズ』は名盤だよね? ということになるのですが、サーフィン・ホットロッドというポピュラーミュージックからブライアンの内省に迫る奇跡的名盤『ペット・サウンズ』ロック史上最も有名な「失われたアルバム」、『スマイル』に至るまで貫かれる、ブライアンの才能、天才性、そこに運命的にも含まれてしまうナイーヴさ、パラノイア、喪失、「ビーチ・ボーイズ」の終焉。それはまさにひとつの天才の生き様と言うしかなく、これはあまりにも無粋で失礼な言い方ではありますが、完璧とも言えるコンセプト・アルバムのようですらあります。

もう好きすぎて聴いてみてくださいとしか言いようがないのですが、ブライアンの音楽というのは、一聴して、ブライアンの音楽なのです。しかし『ザ・ビーチ・ボーイズ』としてはブライアン以外による佳曲もあります、それもまた入れておりますが、やはり、失礼ながらレべルが違うとしか言いようがないでしょう。それでも、『ビーチ・ボーイズ』の音楽と言えるのはなんなのでしょうか、それはやはり、ブライアンの持てる胸襟のようなものであるのだとぼくは思っています。レノン=マッカートニーとは全く違う、ロックミュージックの可能性がそこにはあります。それはブライアンの人生そのものなのです。