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spotifyプレイリストその17

USロックを変えた男Beck

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spotifyプレイリストその17は「USロックを変えた男BECK」です。 

UKシーンにはパンクがあり「セックス・ピストルズ」がいたわけですが、対してUSロックにはと言うと、時代は全然違いますがベック・ハンセンです。USロックシーンはベック以前、ベック以後、と完全に分けられると言っても過言ではありません。

その起爆剤とはなんと言ってもアルバム『オディレイ』になると思います。とは言え、『勝手にしやがれ‼︎』と違いベックには先に『メロウ・ゴールド』続く『ミューティションズ』という両名盤があり、ベック・ハンセンがどこまで意識的であったかは分からないにしろ、歴史的にはベックの登場とこの3枚の流れでUSロックは完全な変革を遂げた、と言えるでしょう。

 

しかしです、この3枚、どこをとっても語り尽くしようがないほどの大名盤3枚なのですが、それでも、それでも『オディレイ』なのです。

音楽的にはロック、フォーク、ブルース、ヒップホップなどの音楽要素をミックスし、見事に料理してみせた。と評価されることになりますが、ぼくなりに言えばごった煮(ガンボ)にして汚い器に盛って丁寧にサーブしてきたようなアルバムになります。

 

なによりもセンスの良さが際立つというアルバムで、へんてこハードロック『デヴィルズ・ヘアカット』、ネオフォーク調の『ア・ニューポリューション』、ベック流ヒップホップ・ダンスチューン『ホエア・イッツ・アット』などと曲としての完成度、かっこよさがたまらないトラック群と、それを簡単に凌駕するようなセンスの盛り付けっぷりという感じですが、まあすごいの一言です。30年近く経った今ですらまったく色褪せないばかりか、未だ衝撃を与え続けているアルバムです。

 

ぼくにとってもオールタイム・ベストの候補となるアルバムですが、ぼくが同じくらい好きなのは初期のデモ的音源集『ステレオパセティック・ソウルマニュレ』です。ぼくがこのジャンクな音源集を聞いたのは、『オディレイ』後でしたが、すでにそれを伺わせる、ウディ・ガスリーmeetsロバート・ジョンソンonクロス・ロードfromマーズ・アタック。といった「一体どういうセンスがあればこんなことが出来るのか?」というセンスの塊のようなアルバムで、個人的にはめちゃ愛聴盤であります。ちなみにSpotifyには無いようです。