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フィッシュマンズ『若いながらも歴史あり』CDを聴きました

フィッシュマンズの新発売『若いながらも歴史あり』CD買って聴きました。

少し遅くなりましたが、買うのをとても躊躇していたからです。なんにせよ昔発売された同名、同ライブを収めたDVDを買って持っており、内容を知っていて、さらにはLP版も予約(11,000円!)もしているからです。もうリッピングして持ち歩くという価値しかなく、いくら魚男主義者といえ、流石にこれは……という感じですが、まあお布施だしな、と、でもこれが最後だぜ。という気持ちでポチりました。それよりも3.11の追悼で行われYouTubeで配信されたFISHMANS+のライブ音源を出してもらいたいです。原田郁子七尾旅人のヴォーカルがとても良かった記憶があります。

さてこのアルバムは96年、3人編成となり、ポリドールに移籍し、『空中キャンプ』をリリースした直後のライブアルバムです。その後の彼らの評価を決定づけ、いまなお語られる所謂「世田谷三部作」のはじめを飾る名盤『空中キャンプ』を出してイケイケというところですが、彼らの置かれた状況を反映するように佐藤伸治のヴォーカル、MC、メンバー紹介も何処かぎこちなく、いまだ慣れないというか、不安さえ感じさせます。MCははっきり言って寒いです。演奏は素晴らしいし、曲も定番の名曲に加え新曲であった『BABY BLUE』などが聴け、盟友、HONZIも参加して、フィッシュマンズにとって神のエンジニアリングを施す第4のメンバーZAKのリマスタリングをしているわけですが、どうもやっぱり、垢抜けないような印象を持ってしまします。それはきっと、その後の彼らの大躍進、ライブバントとしての絶頂を知っているからかもしれません。ぼくは『LONG SEASON』リリース後の野音のライブに行ったことがありますが、まあ当時のライブの記録としては普通かなという感じです。ライブは当然ですが行っておいて本当によかったです。一生後悔するところでした。

あまり点数をつけるのは好きではありませんが、絶対的評価を手にし、絶頂期のライブを奇跡的に収めたアルバム『男たちの別れ』を星5とし、若さに溢れ、圧倒的な演奏能力で見事なグルーヴを生み出している楽しいパーティー・ライブアルバム『Oh!Mountain』を星4とするなら、星3.5ぐらいでしょうか。「世田谷三部作」のはじめを告げるという歴史的なライブという価値はあるにせよ、それはDVDで出ているので、音源化した理由がよくわからないという点もあります。それよりも先に言ったFISHMANS+を出しておくれよ。

まったくの余談ですが、ぼくはあまり音楽について他人の評価や、評論文などをあまり気にしない人間ですが、Amazonの星の評価というものは全然当てにならず、その理由としてあるのは、中身にまったく関係がない「梱包がひどかった」「開けたら破れていた・壊れていた」という理由で星1をつけているひとが結構いるからです。あれは一体なんなのでしょうか?まったく意味がない上邪魔で、害悪でしかないと思うのですが、なぜ書く人がいるのかまったく理解できません。分かる人はどうか教えてください。

話を戻して、これもあまり本作の評価には関係のないことですが、デビュー30周年、佐藤伸治の逝去後いまなお評価を上げ続けているフィッシュマンズとはいえ、10年前から続くこの再評価、再発ビジネスには些か疑問というか、お腹いっぱいな感があります。まあフィッシュマンズ自体は茂木欣一を中心にいまでも活動しているわけで、そこは佐藤伸治の意志を継いで、音楽を継承し続けて行って欲しいとは心から思っているのですが、ビジネスとしてはもうほっといてあげて欲しいという気持ちもあります。

映画『Fishmans』も多分劇場で見ますし、映画の出来にもよりますが円盤が出たら買わざるを得ないと思いますが、本当にもうこれが最後だぜ。いう気分です。エレキングの本も大したことなかったので買いませんでした。